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ゲーム二次創作ブログ。ポケモソ擬人化など。たまに脚本も。
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祖龍と少女が対峙していた。
どちらもひどく白かった。

祖龍は朱い稲妻を纏い、少女は紅い眼光をやじりの先に乗せていた。

お前を討つ。

雄弁に物語る視線と視線に反して、互いの爪は動かないまま。



+++白



知りたいことがあって、弓を取った。
その前は、平凡な家庭に生まれ、平凡な生活を続けてきた。

ただ、色素を失った状態で。

人より少しだけ遠くを見ていたのは、珍奇な外見のせいもあるかもしれない。
けれどそれは、誰もが思うことだとも思っていた。

目まぐるしい日々の中、ふと空を見上げたときによぎる感情。

それは圧倒たる力を持つものと、向き合ったときの威圧感。

苔の匂いのする遺跡に横たわり、己の無力を噛み締める瞬間にも似ている。

そうしてハンターを続けていくうちに、分かったことがある。

生き物は生き物。
神ではない。

まして万物の父たることは有り得ない。

例え古龍らが超常的な力を持ち、永い命を持とうとも。

彼らとて死ぬ。
死して土となり、新たな生の糧となる。

祖龍と呼ばれるものとて、万物に共通する最期を避けることは不可能。

――――そうであるのに。

祖龍と少女が対峙していた。
どちらもひどく白かった。

祖龍は朱い稲妻を纏い、少女は紅い眼光をやじりの先に乗せていた。

お前を討つ。

雄弁に物語る視線と視線に反して、互いの爪は動かないまま。

「不思議ね、ミラルーツ」

白い少女は祖龍に語りかけた。
ひどく穏やかな口調で、彼女は泣いていた。

「私ね、まだ、あなたが全てを知っている気がしてならないの」

生命が息づき始めたその時を。

この星が生を受けた瞬間を。

あの大空が始まった地を。

一生物に過ぎない祖龍が、全てを知っていると。
確かに彼らは人間と比較すれば、限りなく永遠に近い時を生きるのだけれど。
そう錯覚してしまうのは、祖龍があまりに白いから。

「ずっと会いたかった姿なのに、眩しすぎて見えないのよ」

涙が古塔の上に落ちた。
同じように祖龍も涙するだろうか。

知りたいことがあって、弓を取った。

「教えて」

声無き慟哭は風を震わせ、夢と現の境界を消す。

「私は、」

知りたかったことは。

――――すべての理由だった。

「何のために生まれたの」

木々が芽吹く音が、聞こえた。

構えた弓は収めない。
人間として。
ハンターとして。
知るべきことがそこにある気がして。

番えた矢は引けない。
どうしても、射抜くことが出来ない。
それは至高の芸術品を目の当たりにした感覚に似ている。

それでも。

天から一筋差した光が、

彼らの戦いを阻むなら。

祖龍は飛び立った。
少女は弓を捨ててその姿を追った。

古塔の最上階から、身を乗り出して下界を見渡せば。

――――何という深緑!

あの一つ一つが命である。
沈黙する声である。
そびえる岩肌も、水面に囁く波紋さえ。

「ねぇ、知ってるの、私ほんとうは知ってるはずなの!」

雲を割く白き祖龍へと少女は叫んだ。
青空が唄い始める。

季節はもうじき、春だ。

「だから、もう少し探すわ」

知りたいことがあって、少女は再び弓を取る。
その手は古塔の壁を撫で、その指は刻まれた壁画をなぞった。

「私たち人間が何故生まれたのか」

一歩。
少女はその場から遠ざかる。

「あなたたち龍が何故生まれたのか」

もう一歩。
階段を下りていく。

「命の根源は、いったいどこにあるのか」

また一歩。
歩んだところで、古塔を振り仰いだ。

「…………わかるはずよ」

白銀の鱗は雲に溶け込み、しかし確かな存在感をもって。

祖龍と少女は対峙していた。
やがて祖龍は優美な体をくねらせて、蒼穹の中へと――――消えた。

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