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ゲーム二次創作ブログ。ポケモソ擬人化など。たまに脚本も。
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広がる白銀の世界が、やけに目に痛い。
そびえたつ岩肌。鋼の鱗。

眩しくてたまらずに目を閉じていると、不意に睡魔が襲い来る。

白い少女は眠い瞳をこすりながら、傍らの古龍を見上げた。
彼は優美な長い首をもたげている。
そうして、ある一点に視線を注いでいる。

切り立った山の上。
誰かの名が刻まれた、小さな墓碑。



+++永遠



彼は――――鋼龍クシャルダオラは、いつ頃からここにいるのだろう。
少女はぼんやりと考えた。
何分。何時間。何日。何年。何十年。何百年。何千年?

おそらく人が思いつく時間の単位など、彼らの前では意味を為さない。

「どうして」

少女の声は北風にかき消されて、彼の耳には届かない。

ただ、そこに立ち尽くしている。

永遠にも似たその時を、ただただ立ち尽くしている。

底の黒い雲が降雪を告げ、柔らかな寒さが身を包む。
曇天の灰色が、また眠気を誘ってくるかのように。

広がる白銀の世界が、やけに目に痛い。
そびえたつ岩肌。鋼の鱗。
視線の先の小さな墓碑。

長い年月を雪風に曝されて、文字はとうに読めなくなっていた。
誰の名が刻まれていたのだろう。
少女はぼんやりと考えた。

ただ一つ、墓の主を象徴するのは、傍らに燦然と輝く一筋の太刀。

「どうして」

少女の声は北風にかき消されて、彼の耳には届かない。

「この墓を守り続けるの」

ひらりと雪が舞った。
柔らかな寒さが身を包む。

はらりと滴が落ちた。
鋼龍の瞳から落ちた。
墓にその硬い鼻先を押しつけて、冷たく降り注ぐ雪から守るように、羽を広げて。

クシャルダオラは泣いていた。

永遠にも似たその時を、ただただ立ち尽くしながら。
終わらない悲しみを、ただただ嘆き続けている。

眩い白銀の世界で、独り。

「悲しいの?」

彼は叫ぶ。

「つらいの?」

彼は土を掻きむしる。

慟哭のように吠え続けながら、彼は墓碑を抱きしめる。
大きな石にただ文字を刻んだだけの、陳腐な墓碑であった。

陳腐で、けれど、それは美しい墓碑であった。

「――――……そうね」

死んでしまいたいくらい悲しいわね。

あのひとのいない世界ならいっそ滅んでしまえば良かった。
あのひとのいない世界で、どうやって生きていけば。
だのにあのひとは、とんでもなく美しい笑顔で、とんでもなく残酷なことを言う。

『   』

『   』

『      ……――――』

――――――――…………。

広がる白銀の世界が、やけに目に痛い。
そびえたつ岩肌。鋼の鱗。
翼に抱かれた小さな墓碑と、寄り添うようにうずくまる白い少女。

眩しくてたまらずに目を閉じていると、不意に睡魔が襲い来る。
曇天の灰色が眠気を誘う。

「いつまでここにいるの?」

少女の問いに、クシャルダオラは答えない。

ただ、まるで子犬のような、細く小さな声をあげるだけ。

『生きて』

『生きて』

『愛しい私の……――――』

鼓膜に焼きついて離れない、あのひとの優しい声。
網膜に焼きついて離れない、あのひとの綺麗な笑顔。
龍鱗に焼き付いて離れない、あのひとの温かな手の感触。

全て。
全て。
全てを抱きしめて、決して忘れることもない。

永遠に続く悲しみ。
永遠の想い出。

「つらいわね」

「悲しいわね」

「でも、」

白い少女が、まどろみの中で笑んだ。

「きっと、あなたが愛しているひとは幸せね」

そしていつかあなたのもとへゆく日まで。



それはまだ人と龍が、同じ存在であったときのお話。

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